「たとえば、カフェに行ってコーヒーや紅茶を飲むじゃないですか。同じように薬膳茶を手に取ってもらえたらと思って。だから、めぐりこまちは美味しさにこだわっています」
そう話すのは依田恭平さん(株式会社薬膳の極み 代表取締役)
薬膳の極みでは「パーソナル薬膳」という、体質や体調に合わせた薬膳の理論を学べる講座を展開し、インストラクターや専門家を育成するスクールを運営、薬膳の考えにちなんだ商品開発を行っている。
「世間の人に薬膳のイメージを伺うと「まずそう」「苦そう」「難しそう」という返答が大体返ってきます。このイメージが浸透している限り、どんなに良いものでも「試してみよう!取り組んでみよう!」って考える人って限られてしまうと思うんです。」
依田さんによると、スクールに薬膳を習いにくる人はもともと健康分野の専門家や、健康意識が高い人がほとんど。純粋に自分の体調を良くしたいと思っている人には、まだまだ薬膳の考えが届いていない側面があるという。
考えた末に生まれたのが“ほんのり甘い薬膳茶”めぐりこまちだった。
山本──そもそも、なぜ”薬膳”を広げたいと思ったのでしょうか?
依田──『そうですね、薬膳は私の経歴と深く関わっていると思うので少し話をさせていただくこと、私は21歳のときに柔道整復師という国家資格を取得した後に、都内の接骨院に就職しました。今日に至るまでずっと健康業界に身を置いているんですけど、健康に携わるきっかけは接骨院の仕事がスタートなんです。』
『その仕事の中で、さまざまな症状の患者さまをカウンセリングしていると、体調不良の方にはある共通点があることに気がつきました。それは「体調不良を抱えている人のだいたい10人中8人は不眠症だった」という点です。』
『実はその頃、私自身も過労で不眠症だったこともあり、体調がよくありませんでした。そこで健康と睡眠の関係に興味を持って、学会に足を運んだりして学び始めたんです。そのうち、睡眠のアドバイスをしたり、セミナーを開催するようになって、講演会などにも呼ばれるようになりました。』
依田──『その結果、睡眠が改善することで体調が劇的に良くなっていく方を沢山見てきたのですが、一方で、同じ手順、同じ流れ、同じ内容のことを教えていても、あまり体調に変化がない人が一定数出てきたんです。「体調が劇的に良くなると人と、そうでない人の違い。これは何だろう?」こんな風に考えていた時に、出会ったのが「薬膳」でした。』
山本──なるほど。いろいろとつきつめた結果、薬膳と出会ったのですね。薬膳は“薬”という文字が入っているだけあって、身体に良さそうなイメージはあるのですがどういったものなのでしょうか?
依田──『薬膳は体調や体質に合わせた中国発祥の食事法のことで、約2300年の歴史があるとされています。たとえば、一般的に良いとされる食材って「ビタミンC」や「食物繊維」といった、いわゆる栄養素がどれくらい入っているかの話なんですけど、薬膳では食材の持つ性質(薬効)が身体にどのような影響を与えるかを考えます。』
『例えば生姜を例にあげると、「ほてりがある人には、体を温めすぎるから生姜はNG」なのですが「体が冷えている人に対しては芯から温めてくれるので◎」だったりします。つまり、全ての食材は体調や体質によって、良し悪しが変わってくる。というのが薬膳の考え方なんです。』
『この薬膳の理論で日々の食事を置き換えたら、今まで変化が見られなかった人もみるみる変化が表れたので、「これだ!!」と思って、もっと薬膳を追及したくなりました。それ以降、今では薬膳をメインに仕事をしているという流れになります。』
『元々は柔道整復師から始まって、睡眠をやったり、今は薬膳で商品開発もしているので、全然違うことをやっているように人の目には映るかもしれません。でも、自分の中ではすべて繋がっている感覚なんです。「目の前にいる人が良くなるためにはどうしたらいいのか?」と考えて必要なことを取り入れていった結果、今に至っているので。』
山本──目的はあくまで「目の前の人の健康」で、手段の一つが薬膳だったんですね。めぐりこまちも一連の流れの中で生まれたわけですが、あの甘い味はどうやって完成したのでしょうか?
依田──『私のところに薬膳を学びに来てくれる人は、体質改善したい方や痩せたい方が多かったので、体質改善をしながらダイエットができるお茶を開発することにしました。そういった人にはどのような薬膳茶がいいかを考えると、甘い味がいいと思ったんですよ。』
『リサーチ会社にダイエットで挫折してしまった理由を調べてもらったのですが、「甘いものが食べたくなった」「空腹が我慢できない」というのが大半の理由でした。なので、口寂しくないよう、ほんのり甘く仕上げることに決めたんです。』
『そこで大事になってくるのが、「効果」と「美味しさ」のバランスです。2つのバランスが取れた薬膳茶にするために、世界中のお茶や茶葉を研究しました。』
山本──めぐりこまちって厳選された茶葉からできあがっているんですね。開発に2年かかったのも頷けます。
依田──『開発過程のプロト版も含めると2年間はかかってます。めぐりこまちはフランス、インド、中国、日本、タイ、東南アジアの国など、様々な地域から仕入をしているのですが、完成するまでにはお客様の意見を拾いながら茶葉の選定を進めていました。』
『めぐりこまちは安全性に配慮しつつ海外の茶葉を仕入れて、国内で製造しています。たとえば、黄色のめぐりこまちは南フランスのラベンダーを使用しています。薬膳茶やハーブに関しては国産が全て良いというわけではなく、やはり本場の風土・気候で育った茶葉やハーブの方が圧倒的に美味しいんですよ。たとえ同じ品種だとしても、季節、風土、気候によって味、香り、効能が変わってきます。どの時期に刈り取るかでもかなり違うので製造工場で月1回は擦り合わせをして、ブレンドの配合量をその都度変更しているんです。』
山本──茶葉の配合は繊細な作業なのですね。味の調整が非常に難しかったとのことですが、初めての商品開発でもっとも苦労したのはどのような部分でしょうか?
依田──『誤解を恐れずに言うと、良いものを作る技術って現代にはすでにあると思ってます。ただ、良いものを作れば、それだけコストは高くなる訳で、お客様が手に取りやすい「価格帯」に抑える必要も同時に出てきます。そういう意味で、「ベストなものを作りたいけれど、ベターなものになってしまう」と言うのが、恐らく物作りに携わる全員が頭を使うポイントでもあるのかなと思います。』
『なので、「味」「効能効果」「価格」。この3点をできるだけベストなものに近づけることが一番苦労した点ですね。ものづくりの面白い部分とも言えるのですが。そういう意味では、めぐりこまちはもっと良いものにできると思います。常に生産者と情報交換をしたりしていますし、製造業者の方と改善を重ねています。』
山本──実際にめぐりこまちをお手に取ったお客様からは、どのような声がありましたか?
依田──「薬膳茶のイメージが変わりました」という意見が一番多かったです。薬膳茶は健康に良いけど「まずい」「苦い」「美味しくない」の三拍子が揃っているイメージがあるので、そこは払拭できたのかなと思います。
『また、予想外の嬉しいエピソードもありました。40代の主婦のお客様が家でめぐりこまちを飲んでいると、お子さんがやってきてガブガブ飲み始めたそうです。このお子さんはいつも水ですら「まずい」と言ってジュースばかり飲んでいたらしいんですけど、めぐりこまちは飲んでくれるそうで、本当に美味しいものが作れたのだと感激しました。』
『ダイエットの観点だと、30年間いろんなダイエット法を試していて、リバウンドを繰り返していた方が、お茶をめぐりこまちに変えたら、6ヶ月で10キロ痩せて、そこから体重が変わっていないそうです。ご本人も生活を整えたりなど努力をしていたそうですが、日々のちょっとした取り組みで体質が変わる薬膳パワーを感じましたね。』
依田──『そうですね。本当にありがたいことです。めぐりこまちはクラウドファンディングで販売したのですが、4割は面識がない方が買ってくださっていました。面識がない方が買ってくださった理由はよくわかりませんが、友人知人がSNSでシェアして応援してくれたので、口コミで広がっていったのだと思います。』
山本──今後はどのような商品開発を進めるのでしょうか?
依田──『いずれは、自社でも茶葉を育ててみたいなと思ってます。実は私自身、長野県の兼業農家の息子でして、5歳の頃からトラクターを祖父と一緒に遊びで運転してたんです。笑 ですので、農業には元々関心があります。薬膳は自然と共にあって、食生活の知恵を伝える学問です。自然の力は本当にすごい。良いものができるのも、できないのも自然の力。もう少しで刈り取れるという時に、台風など自然災害で刈り取れなくなることもある。』
『どうしようもないことがある自然を扱っている薬膳のお茶だからこそ、個人的には自然の営みを体験したいですね。生産者様の茶葉の畑を視察や手伝いをしたことはあるのですが、見るのと実際にやるのとでは全然違うと思うので。どういう過程で茶葉ができるのかを商品開発をしている立場として、自分でしっかり体験したいと思っています。
『薬膳は素敵なものなので、これからも薬膳を取り入れた商品をどんどん増やしていくつもりです。あとは、お客様が求めるものを常に作り続けたいので、薬膳料理を振る舞う食事会を開催したり、購入者様と話す場を作ろうとも思っています。』
山本──食事会などで自分の体質が知れたらうれしいなと思いました。自分の体質に合うものってわからなかったりするので。自分にとっていいものを選ぶのは難しいです。
依田──『そうですよね。大事なのはトレンドで選ぶのではなく、自分の体質に合っているかどうかです。例えば、温活ブームで生姜が良いと言われても、体質に合わなければ、ほてりや便秘の要因になってしまうことがあります。』
『メディアに取り上げられている内容が自分の体質に合っているかどうかは別問題なんですよね。めぐりこまちは「体質を変えて、痩せた体質を手に入れる」を目的に開発したパーソナルなお茶です。体質を知るためにはもちろん、直接お会いしてカウンセリングをさせていただくことがベストなのですが、WEB上でも限りなく近い体質が出せるようにLINE体質チェックで自分に合ったものを知れるような形を取っています。』
山本──めぐりこまちが大事にしている考えのお話が出たので、ここで株式会社薬膳の極みの企業理念を改めてお聞きしたいです。また、会社名にはどんな想いが込められているのでしょうか?
依田──『実は会社名に深い意味はなくて、字画がよかったという理由だけなんです(笑)。本当は「株式会社薬膳研究所」とかにしたかったんですけど字画が悪かったので。企業理念もまだ考え中なところもあるのですが、核となる考えはずっと持っています。会社としては「時代に柔軟であること」を大事にしていますね。』
『時代によって人の健康観って変わりますし、求められることも変わってくるので、一昔前の良いものが、今は良いものにならないケースもあります。時代性に合ったものと、求められているものをしっかり把握して、そこに応えていく企業でありたいです。』
『もしかすると、うちの会社でやっていることの中には、薬膳や漢方を扱っている他の人からすると、ちょっと理論から外れていると思われるものがあるかもしれません。古来より続く薬膳本来の伝統を大切にしながらも、今の時代に合ったものに変えてしっかり伝えていきたいです。』
『薬膳は2300年前から続く理論ですが、現代まで今なお消えずにこうやって残ってるということは、やっぱり人々に必要なものだと思うんです。ライフスタイルは時代によって大きく変わるので、どのようにすれば今の時代に合うものになるのかを、これからも考え続けていきます。』
山本──今の時代の人に寄り添っておられるからこそ、めぐりこまちが生まれたのだと思いました。今と昔では食事にかけられる時間も当然変わっていますよね。なるべく手間暇かけず、身体に良いものを取り入れたいのが本音です(笑)。
依田──『ダイエットや健康が苦行のようなものになってしまったらイヤですよね。何でもそうですが、苦しいと続かないので。私自身、今までに延べ5万人以上のクライアント様の健康やダイエット相談に乗ってきましたが、たとえそれがどんなに効果的な内容だったとしても、複雑で大変な内容だと長くは続けることって難しいと思うんです。』
『だからシンプルで簡単な方法が求められています。』
『現代人は仕事に家事に育児に、何かと忙しいです。例えば、ダイエットのために1日1時間、新たな時間を作ることって結構大変だと思うんですよ。でも、お茶は飲むだけです。いつもの生活の延長線上で、手間をかけずに取り入れることができます。これは決して「楽をして痩せられますよ」と言いたいわけではなく、結局現代人にはそれが一番ストレスがなく健康的に痩せられる方法だと思うのです。』
『健康は日々の積み重ね。薬膳の世界には「今日食べたものが、半年後の身体を作る」と言う言葉があります。日々ちょっとの体質にあったことをしていくことで、体調も体型も劇的に変わることを皆さんに体感してもらいたいですね。』
『一方で思うのは「体質改善や痩せることが最終ゴールではない」ということ。本当にやりたいことをやれる人生のために、人は痩せたり、健康を願うわけで。体質を変えてスラッと痩せたそのさきに叶えたいことがあるはずで、私はそこを応援するために薬膳の事業をしています。皆さんのライフスタイルの中心に薬膳があって、理想のライフスタイルを叶えていく人を増やせたらと思います。』
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