薬膳茶には、巡りを改善するものや体を温める商品など、いくつかの種類があります。
期待する効果を得るには、自身に合った種類を選ぶことが重要です。中医学の基礎知識を身に付ければ、薬膳茶は自宅でも簡単に作れますよ。
はじめての方は専門店の商品を参考にしたり、体質診断を活用して、健康習慣をスタートさせましょう。
薬膳茶とは
薬膳茶の特徴は、以下の2つです。
- 中医学の知識で体を整えるお茶
- 漢方茶との違いは材料
薬膳茶は基本的な知識さえ身に付ければ、自宅でも簡単に試せる健康法です。まずは、中国に古代から伝わる中医学の存在を知り、薬膳茶を身近に感じてください。
また、同じルーツをたどる漢方茶とも比較しながら、薬膳茶を生活に取り入れる上で大切なポイントを確認しましょう。
中医学の知識で体を整えるお茶
薬膳茶は、中医学の知識を使って体のバランスを整えるお茶です。中医学では、体質や目的に合った作用を持つ食材を煎じて飲む療養がおこなわれてきました。
薬膳茶は、中医学において陰と陽に分けられる食材を組み合わせて作ります。例えば、体を冷やす作用がある緑茶や夏野菜などは陰、体温を上げる効果のあるしょうがや紅茶などは陽に分類されます。
また、気・血・水の考え方も薬膳茶には重要です。エネルギー(気)と栄養(血)、潤い(水)がバランス良く巡っている状態が健康とされ、不足する要素を補う方法の一つが薬膳茶です。
2,000年以上も実践され続けてきた中医学が効果を証明する薬膳茶は、現代人にも有用な健康法でしょう。
漢方茶との違いは材料の種類
薬膳茶と漢方茶の違いは、材料の種類にあります。漢方茶には生薬といわれる種類の原料が使用されるため、多くの方が独特な味や香りをイメージします。
一方、薬膳茶は「口にするものみな、薬同様の効果をもつ(薬食同源)」の考えに基づいて、食材を使用します。黒豆やとうもろこし、果物など、普段は食事で口にする種類も材料になり得るため、飲みやすさが特徴です。
薬膳茶は材料をすり潰したり粉砕したりする必要がないため、自宅でも簡単に作れますよ。
薬の力で不調を治癒するのか、食材の力で健康を引き出すのか、状況や目的に応じて使い分けると良いでしょう。
目的でみる薬膳茶の種類
目的別でみた薬膳茶の種類は、以下の6つです。
- 巡りを改善する
- 体を温める
- 体を冷ます
- 消化を助ける
- 代謝を良くする
- 気持ちを落ち着かせる
薬膳茶で健康や美容を目指すには、適切な種類を選ぶ必要があります。食材が持つ効能を確認して、自身に合った薬膳茶を見つけてくださいね。
巡りを改善する
薬膳茶の種類には、巡りを改善するものがあります。体の不調は、気・血・水の滞りが原因になっている可能性があるため、巡りを促進する薬膳茶を試しましょう。
ストレスやイライラを感じる際は、気の巡りを改善する食材の組み合わせがおすすめです。マイカイ花やジャスミンを使った薬膳茶は香りが良く、リラックス効果をもたらします。
手足の冷えや体のコリに悩む方は、血が潤滑に巡っていない可能性があります。ベニバナは体を温めることで血流を良くし、全身の固まった筋肉をほぐします。
血流は月経や更年期の不調にも影響するため、継続的なケアを心掛けましょう。
体を温める
薬膳茶の種類には、体を温める組み合わせがあります。冷えに悩む方は、温性や熱性の食材を使った薬膳茶を飲んで、体調を整えましょう。
体を適切に温めるには、症状に合ったアプローチをする必要があります。寒気を感じる際は、生姜や紫蘇などで熱を発散させて、体表を温める方法がおすすめです。
慢性的な冷えがある場合は、臓器のはたらきを促進させるシナモンや、体温を維持する黒砂糖などを取り入れましょう。
辛味や甘味の食材には、冷えを緩和させる効果があるため、薬膳茶の材料選びの目安にしてください。
体を内側から温める薬膳茶は、常温から温にして飲むと効能を発揮しますよ。
体を冷ます
体のほてりを冷ます際に効果的な薬膳茶があります。涼性や寒性、平性の薬膳茶を飲めば、体の嫌な熱が取れて、暑い夏場でも快適に過ごせますよ。
薬膳茶で体を冷ます方法には、体表への作用と、臓器へのアプローチの2種類があります。
体表から熱を発散させる桑葉は、風邪を引いた際に煎じて飲むと良いでしょう。寒性の菊花は、臓器の熱を取るはたらきがあるため、吹き出物や皮膚の腫れが気になる場合におすすめです。
体を覚ます食材は、辛味や苦味、鹹味を目安に選んでくださいね。
暑い時期におすすめの薬膳茶は、冷たくしたほうが効果を発揮する場合があるため、飲み方にも着目しましょう。
消化を助ける
消化不良や食欲不振におすすめの薬膳茶があります。臓器のはたらきを促進させる食材や、香りで食欲を誘う種類を試しましょう。
ハーブショップで購入できるタイムには、消化を促して胃の調子を整える作用があります。食べすぎが原因の胃の不調には、乾燥タイム小さじ1杯分を、熱湯200mlで煎じた薬膳茶がおすすめです。
食欲不振には、なつめが効果を発揮しますよ。なつめは長に渡って接種しても、副作用の出にくい生薬といわれています。漢方薬にも多く使われる、ポピュラーな薬膳です。
食欲がなく食事を取りにくい場合でも、お茶なら飲みやすくなります。栄養補給の手段として、積極的に薬膳茶を活用してくださいね。
代謝を良くする
体が重く感じる際は、代謝を良くする薬膳茶を選んでください。代謝の改善には、便通を良くする方法と、水分の排泄を促進させるやり方の2種類があります。
便通の改善には、過剰な熱を冷ましたり、大腸の乾燥を防いだりすることが重要です。はちみつは大腸に潤いを与えて、便のとおりを良くする効果があります。温かい薬膳茶に少量ずつ加えて、取り入れましょう。
むくみ対策として有用なのは、はとむぎです。はとむぎ茶は、手軽なティーバッグを使用するのも良いですね。
便や余計な水分が体に溜まると、不快なだけでなく、病気に繋がる恐れもあります。日頃よりデトックスを心掛けましょう。
気持ちを落ち着かせる
緊張やイライラで気持ちが高ぶっているときは、薬膳茶を飲んで落ち着く療法があります。リラックス効果のある食材を選んで、簡単な薬膳茶を作りましょう。
すっきりとした香りで人気のラベンダーは、緊張による消化不良や頭痛を緩和し、安眠をサポートします。紅茶とブレンドすると、ラベンダーの香りがマイルドになり飲みやすいですよ。
暑さやほてりが原因で気持ちが高ぶる際は、ミントと緑茶を組み合わせて、心をすっきりさせるのがおすすめです。
気持ちが張り詰めた状態が続くと、体の不調に繋がる可能性があります。過度な緊張を和らげる方法として、薬膳茶を取り入れてみましょう。
適切な薬膳茶を選ぶ方法
適切な薬膳茶を選ぶ方法は、以下の4つです。
- 目的から選ぶ
- 材料から選ぶ
- 季節や体調で選ぶ
- 体質に合わせて選ぶ
薬膳茶で期待する効果を得るには、選び方が重要です。自身に合った種類を見つけるには、注意点もあるため確認してください。
慣れてきた際は、薬膳茶の選び方を変えてみると、新しい味わいや意外な効果に出会える可能性がありますよ。
目的から選ぶ
最適な薬膳茶の種類は、目的から選べます。目的に合った食材を使って薬膳茶を作れば、体に期待する効果を得られるでしょう。
しょうがは体を温め、柑橘系は気を落ち着かせるなど、食材にはさまざまな作用があるため、考慮しながら薬膳茶を選びましょう。
薬膳茶で健康や美容を目指す際は、目的を明確にすることが大切です。ダイエットを目的にするケースでは、脂肪やむくみなどの原因を判断して、食材を選ぶ必要があります。
不調や肥満の原因が曖昧な場合は、体質による薬膳茶選びからはじめるのがおすすめです。
材料から選ぶ
薬膳茶は材料から選ぶ方法があります。味や効能で気になる種類を探すところからスタートすれば、薬膳茶選びが楽しくなりますね。
生薬としてもメジャーななつめや、華やかな香りが人気のマイカイ花は、人気の薬膳です。スーパーやハーブショップ、茶葉店などで簡単に手に入れられますよ。
食材を選ぶ際、味や香りが気に入っても、性質が自身の体に合わない場合があるため注意が必要です。
食材が持つ特性は、以下を参考にしてくださいね。
五性 | 効果 | 食材の例 |
---|---|---|
熱 | 最も温める | 乾姜、桂皮、とうがらし |
温 | 温める | 紫蘇、人参、かぼちゃ |
平 | 温めたり冷やしたりしない | とうもろこし、米、卵 |
涼 | 冷やす | はとむぎ、セロリ、だいこん |
冷 | 最も冷やす | こんぶ、すいか、塩 |
五味 | 効果 | 食材の例 |
---|---|---|
酸 | 唾液の分泌を良くする | 柑橘系、トマト、ヨーグルト |
甘 | 気を補う | とうもろこし、松の実、大豆 |
辛 | 体温を上げる | 八角、コショウ、しょうが |
苦 | 精神を安定させる | 菊花、アロエ、茶 |
鹹 | 便をやわらかくする | おおむぎ、塩 |
季節や体調で選ぶ
季節や体調に合わせて薬膳茶を選ぶ方法があります。体は季節や体調の影響を受けやすいため、考慮しながら食材を選ぶことが大切です。
季節による体の変化は、以下のとおりです。
季節 | 体の変化 | おすすめの食材 |
---|---|---|
春 | 胃腸が弱まる 気持ちが不安定になる | 香りの良いスパイスやハーブ |
夏 | 体に熱がこもる 食欲がなくなる | 寒・涼の食材 食欲を誘うスパイス |
秋 | 乾燥する 風邪を引きやすい | 酸・甘の食材 水分を補う食材 |
冬 | 体が冷える 体調を崩しやすい | 辛・鹹の食材 腎を補う食材 |
体を温めたり冷ましたりするだけでなく、季節によって不足しがちな要素を補う種類の薬膳茶を選んでくださいね。
体質に合わせて選ぶ
薬膳茶は、体質に合わせて選ぶのがおすすめです。摂取すべき要素は一人ひとり異なるため、薬膳茶から効果を見出すには、まず自身の体質を適切に把握する必要があります。
体質は気・血・水の状態で、気虚・血虚・陰虚・気滞・瘀血・痰湿の6つに分類できます。
血虚タイプでは体内で血の要素が不足しているため、黒豆やクコの実などを積極的に取り入れると良いでしょう。
体質の分類は、自覚する症状だけでは判断が難しくなります。無料で体質診断のサービスを提供している専門店があるため、薬膳茶をはじめる際に活用してくださいね。
薬膳茶の簡単な作り方
簡単に作れる薬膳茶のレシピは、以下の3つです。
- 黒豆+とうもろこし
- 菊花+クコの実
- なつめ+しょうが
薬膳茶は効能を引き出したり、強すぎる作用を抑えたりするために食材を組み合わせます。
はじめての方は簡単なレシピを参考にしながら、食材の種類を増やしていきましょう。
黒豆+とうもろこし
むくみが気になる方には、黒豆ととうもろこしのお茶がおすすめです。黒豆ととうもろこしは水分の排出をサポートする種類の食材で、デトックス効果が期待できます。
洗って水気を切ったとうもろこしのひげと、炒った黒豆を入れたティーポットに、熱湯を注いで蒸らしたら完成です。黒豆の香ばしさがクセになる、美味しい薬膳茶ですよ。
炒り黒豆はフライパンで簡単にできますが、より手軽にしたい場合は、市販の黒豆茶を使用しても良いでしょう。
気虚や陽虚タイプでは、季節の変わり目にむくみやすくなります。体がすっきりしないときは、代謝を促進してくれる薬膳茶を試しましょう。
菊花+クコの実
血圧が高めの方には、菊花とクコの実、桑葉をブレンドした薬膳茶をおすすめします。肝を滋養するクコの実と桑葉、血流を促進する菊花を組み合わせれば、高血圧の改善が期待できますよ。
作り方は、3つの食材をティーポットに入れて、熱湯を注ぐだけです。抽出に使ったクコの実は、果実も美味しく食べられますよ。
菊花やクコの実は、眼精疲労も癒すといわれているため、デスクワークを頑張った日にも取り入れてみましょう。
菊花や桑葉は茶葉店で、クコの実はスーパーでも探せます。通販を利用すれば、ほとんどの種類の薬膳が簡単に手に入るため便利ですよ。
なつめ+しょうが
免疫力を高めるには、なつめとしょうがの薬膳茶がおすすめです。気を補うなつめやしょうがは、感染症予防に役立ちます。
体力回復を促す黄耆や、血行を良くするスパイスを加えると、相乗効果でより元気を引き出す薬膳茶になりますよ。
なつめとしょうが、黄耆をブレンドして薬膳茶を作る際は、全ての食材を刻んで鍋で煮出します。食材の成分が十分に抽出されたところでカップに移し、温かいうちに飲んでくださいね。
生薬としても使われるなつめは、滋養強壮や老化防止の薬膳として中国でよく食べられています。日本ではドライフルーツがメジャーで、スーパーでも購入できます。
はじめてなら種類が豊富な「めぐりこまち」がおすすめ
薬膳茶をはじめる方は、豊富なラインナップから自身に合った種類の商品を探せる「めぐりこまち」がおすすめです。めぐりこまちでは体質診断の結果から、最適な薬膳茶を選ぶ方法もあります。
インターネットで口コミを調べると、甘みがあって飲みやすい点が多く評価されていました。
薬膳茶で健康や美容を目指すには、継続的に飲み続けることが重要です。美味しい薬膳茶をティーバッグで簡単に淹れられるめぐりこまちから、健康習慣をスタートしましょう。