薬膳茶

薬膳茶に期待できる効果は?自宅でできる簡単な作り方とポイント

記事の監修

株式会社薬膳の極み 代表取締役社長

依田 恭平

『薬膳を通じて健康的な社会を創造する』をミッションに、薬膳ダイエット茶のD2C事業・薬膳の資格発行事業を展開。セミナー・講演は累計300回以上開催、述べ2000人以上が参加。NHKジャーナル出演。POLAコラム執筆などメディアに掲載多数。

病気予防やダイエットなど、薬膳茶に期待できる効果は、使用する食材によって異なります。自身の目的や体質に合った食材を取り入れることが大切です。

中医学の基礎知識を使えば、自宅でも簡単に薬膳茶が作れますよ。専門店の商品も活用して、無理のない薬膳茶習慣をはじめましょう。

薬膳茶とは

薬膳茶とは

薬膳茶とは、以下の2つの特徴を持つお茶です。

  • 中医学の知識で体を整えるお茶
  • 体質や目的に合った食材を組み合わせる

薬膳茶で効果を得るには、基礎知識を確認して正しく生活へ取り入れることが重要です。体質や目的に合った食材を組み合わせれば、より高い効果が期待できるでしょう。

中医学の知識で体を整えるお茶

薬膳茶は、中医学の知識を使って体を整えるお茶です。中医学とは、2,000年以上前から人々の健康管理に利用されてきた中国伝統の医学です。「口にするものはみな、薬同様の効果を持つ」という薬食同源の考えに基づき、食材を活用して健康や美容を目指します。

中医学では、気(エネルギー)・血(栄養)・水(代謝)がバランスよく体内を巡っている状態が健康とされます。

また、薬膳茶で効果を得るには、陰陽のバランスも重要です。陰は「暗い」「寒い」、陽は「明るい」「温かい」などの要素を指し、体内で平衡を保っている状態が理想形です。

薬やサプリメントのような即効性はないものの、毎日飲み続けることでバランスが整い、体質改善を期待できるのが薬膳茶です。

体質や目的に合った食材を組み合わせる

薬膳茶は、体質や目的に合った食材を組み合わせて作ります。効果を高めたり抑えたりするために、2〜3個の食材をブレンドしましょう。

体質は気血水の巡りによって、気虚・血虚・陰虚・気滞・瘀血・痰湿の6つに分類されます。健康や美容のために補うべき要素は、体質によって異なります。まずは自身の体質を的確に把握することが重要です。

また、目的に合った効能を持つ食材を選んでください。中医学では、食材を酸・苦・甘・辛・鹹の五味で表します。五味は味や香りによる分類だけではなく、体にもたらす作用でも分けられます。例えば、酸味のある食材は肝臓のはたらきを促進し、消化を助けます。

理想の体になるには、食材の特性を確認し、体質や目的に合った要素を選ぶことが大切です。

薬膳茶に期待できる効果

薬膳茶に期待できる効果

薬膳茶に期待できる効果は、以下の7つです。

  • 病気を予防する
  • エイジングケアできる
  • 疲れを癒す
  • ストレスを和らげる
  • 体を温める
  • 消化を助ける
  • ダイエットをサポートする

体質に合った薬膳茶を飲み続ければ、さまざまな効果が期待できます。目的に合わせて食材を選び、無理なく健康や美容を目指しましょう。

病気を予防する

薬膳茶には、病気を予防する効果が期待できます。免疫を向上させる成分を摂取することで、健康な体を手に入れられるでしょう。

薬膳で免疫を補う食材といえば、なつめが代表的です。なつめは「一日3個食べれば老いない」といわれるほど栄養が豊富で、中国では果実を丸ごとかじって食べる習慣もあります。

また、高麗人参も免疫力の強化をサポートする薬膳です。自律神経の乱れを整えたり、免疫細胞にはたらきかけたりして、体を強くするといわれています。

高麗人参の独特な香りが苦手な方もいますが、健康作りには効果的食材なので、薬膳習慣に慣れてきた際には一度試してくださいね。

エイジングケアできる

飲むことで、エイジングケアができる点も薬膳茶のメリットです。抗酸化作用のある食材を使った薬膳茶は、年齢による肌や臓器の衰えを挽回してくれます。

抗酸化作用のある食材には、黒豆や桂皮があります。アントシアニンが豊富な黒豆には、アンチエイジングの効果が期待されます。炒った黒豆の薬膳茶は、香ばしい味わいが美味しくて人気です。

桂皮はシナモンで馴染みがあります。手足を温める作用もあるため、お茶にして朝飲むのがおすすめです。

エイジングケアは継続が大切です。飲みやすい味わいの薬膳茶を見つけて、習慣的に飲むようにしましょう。

疲れを癒す

疲れを癒してくれる薬膳茶があります。温かいお茶でほっと一息つくついでに、食材の持つ効能で体の疲れも取ってくれますよ。

干ししいたけはビタミンBが豊富で、疲労回復が期待できます。料理でよく使われる干ししいたけですが、市販の薬膳茶にも含まれていることが多い食材です。

また、疲れ目には菊花が効果的です。菊花は眼精疲労だけでなく、ドライアイや充血など目のトラブル解消が期待されます。薬膳茶にするには、乾燥させた菊花が使いやすくておすすめです。

健康を維持するために、仕事や家事の疲れはその日のうちに癒しましょう。夜寝る前の薬膳茶を習慣にすると、翌朝すっきり目覚められますよ。

ストレスを和らげる

薬膳茶には、ストレスを和らげる効果が期待できます。気の巡りを良くする薬膳食材には、イライラを落ち着かせたり、気持ちを前向きにしたりする作用があります。

ストレス緩和を目的とする場合、香りが良い食材を選ぶことがおすすめです。マイカイカやジャスミンなど華やかな香りを放つ花や、さわやかな柑橘系をお茶にして飲むと気持ちが落ち着きます。さらに、甘みをプラスすることで、緊張が和らぐ効果も期待できますよ。

食材の香りは、熱を加えすぎると飛んでしまう可能性があるため、抽出時間に注意してください。

ストレスは臓器のはたらきも弱めてしまう恐れがあります。心だけでなく、体の健康のためにも薬膳茶でリラックスする習慣を付けましょう。

体を温める

薬膳茶には、体を温める効果が期待されます。血流改善や保温効果を持つ食材を使用することで、冷え対策になる薬膳茶を作れますよ。

体を温める薬膳には、しょうがやしそがあります。生のしょうがやしそには、体の表面を温める効果があり、風邪に引きはじめで寒気を感じる際もおすすめです。乾燥させたしょうがは、体を内側から温める作用を持つため、冬の寒い時期には積極的に取り入れたい薬膳ですね。

冷えは臓器のはたらきを妨げてしまい、食欲不振や便秘などの症状にも繋がりかねません。日頃から体を温めることを意識して過ごしましょう。冷え対策の薬膳茶は、温~常温にして飲むと効果的です。

消化を助ける

消化を助ける薬膳茶があります。臓器のはたらきを促進させる薬膳は、消化不良や食欲不振などの症状を和らげますよ。

カルダモンは胃腸を温める食材です。温かい紅茶に2〜3粒入れると、胃もたれ緩和が期待できます。また、ゆずも消化器のはたらきを助ける食材です。すりおろした皮を薬膳茶に少量取り入れれば、食欲不振を改善できますよ。

胃腸が弱っていて食事が難しい場合でも、温かいお茶なら飲みやすいでしょう。食欲がないときは、体調に合った薬膳茶を栄養補給に活用してくださいね。

ダイエットをサポートする

薬膳茶はダイエットをサポートします。デトックス作用のある食材を使った薬膳茶には、むくみや代謝の改善効果が期待できます。

むくみが気になる方は、水の排泄を促進する成分を積極的に摂りましょう。薬膳茶でよく使用されるデトックス食材には、とうもろこしのひげや、はとむぎなどがあります。

薬膳茶で肥満の解消を目指す方には、あずきがおすすめです。なかでも、手軽なあずき茶なら生活にも取り入れやすく、脂肪燃焼によるダイエット効果も期待できます。

あずき茶によるダイエット効果は、以下の記事を参考にしてください。

自宅でできる薬膳茶の作り方

自宅でできる薬膳茶の作り方

自宅でできる薬膳茶は、以下の3つです。

  • 心も体もすっきり「はとむぎ+マイカイカ」
  • 体の中からポカポカ「しょうが+シナモン」
  • 疲れた日には「なつめ+クランベリー」

はじめはスーパーで購入できる食材を使って、簡単にできる薬膳茶の作り方を試しましょう。薬膳茶で効果を得るには、飲み続けることが大切です。手軽なレシピで無理なく生活に取り入れてくださいね。

心も体もすっきり「はとむぎ+マイカイカ」

簡単にできる、はとむぎとマイカイカの薬膳茶は、心や体をすっきりさせたいときにおすすめです。

マイカイカは、バラのつぼみを乾燥させたもので、香りの良い薬膳です。デトックス作用を持つはとむぎに、マイカイカを組み合わせることで、リラックス効果もプラスされます。

はとむぎは手軽なティーバッグを使用しましょう。マイカイ花の花びらを入れたカップに、はとむぎ茶のティーバッグを添えて熱湯を注ぎます。蓋をして、2〜3分ほど蒸らしたら完成です。

マイカイカはがくを取り除いて、花びらのみ使用しましょう。また、時間に余裕のある際は、はとむぎ茶のティーバッグを煮出すと、より成分が抽出されて効果的ですよ。

はとむぎやマイカイカは人気な薬膳なので、スーパーでも購入できます。

体の中からポカポカ「しょうが+シナモン」

体の冷えが気になる方は、しょうがとシナモンの薬膳茶を試しましょう。しょうがは乾姜、シナモンは桂皮を使用するとより高い冷え緩和効果が期待できます。

作り方は乾姜と桂皮、好みのカフェインレスティーバッグを入れたカップにお湯を注いで、数分蒸らすだけです。

ボトルで作って持ち歩き、1日何回かに分けて飲むと冷え対策の効果がアップします。使用するティーバッグを変えて、好きな味わいを見つけましょう。

乾姜は体を芯から温める効能を持ち、桂皮には血流改善の作用があります。乾姜と桂皮の組み合わせは、体全体の冷え改善が期待できるため、生理痛に悩む方にもおすすめです。

疲れた日には「なつめ+クランベリー」

仕事や家事を頑張った日には、なつめとクランベリーを使った薬膳茶が疲労回復に効果的です。栄養豊富ななつめは、薬膳においてポピュラーな食材です。クランベリーは乾燥したもののほうが手に入りやすく、お茶にする際も使い勝手が良いでしょう。

作り方はまず、半分に割ったなつめと水を鍋に入れ、30分ほど煮出します。クランベリー入りのティーポットになつめも一緒に移し、3分蒸らしたら完成です。

なつめは滋養強壮のほか、エイジングケアや消化促進などをもたらす甘い果実です。ポリフェノールが豊富なクランベリーと合わせて、甘酸っぱい薬膳茶を楽しみましょう。

薬膳茶の効果を引き出すポイント

薬膳茶の効果を引き出すポイント

薬膳茶の効果を引き出すポイントは、以下の3つです。

  • 旬の食材を取り入れる
  • 食材の大きさを揃える
  • 専門店の商品を参考にする

健康や美容に対する効果を得るには、適切な薬膳茶を継続的に飲む必要があります。薬膳茶の作り方や食材選びのポイントを抑えて、理想の体を目指しましょう。

旬の食材を取り入れる

旬の食材を取り入れることで、薬膳茶の効果はより引き出せます。体の調子は気候や環境によって変化するため、薬膳を選ぶ際は季節に合った食材を選びましょう。

寒い時期に体を温めたい場合は、ゆずを使った薬膳茶を試してください。冬に旬を迎えるゆずは、血管を広げて手足の冷えを改善する効果があります。

また、暑い時期にも冷房で体が冷えてしまうことがあります。夏の冷えには、6月〜9月が旬のしそを使った薬膳茶がおすすめです。しそには、体が冷えすぎてしまうのを防ぐ効果と、夏バテによる食欲不振を緩和する作用が期待できますよ。

旬の食材は栄養価も高いため、健康維持のために積極的に取り入れましょう。

食材の大きさを揃える

薬膳茶の効果を引き出すには、使用する食材の大きさを揃えることがコツです。同じ時間でバランス良く成分を抽出できるように、均等なサイズ感を考慮しましょう。

薬膳茶を作る際は、食材が入ったカップに熱湯を注ぎ、しばらく蒸らして成分を抽出させます。抽出が足りなかったり、雑味が出てしまったりするのを防ぐために、食材は大きさを揃えてカットしてくださいね。

豆や穀物類は切り分けられないため、他の食材のほうでサイズを調整するのが得策です。

また、花や柑橘類など、熱を加え過ぎると香りが飛んでしまう食材もあります。香りを楽しみたい食材は先に取り出してしまうのも、美味しい薬膳茶を作るポイントの一つです。

専門店の商品を参考にする

専門店の商品を参考にすると、健康や美容に効果的な薬膳茶を作れます。薬膳茶専門店の商品は、プロによって適切な食材が調合されています。専門家の調合を参考にすることで、自宅で作る際も失敗のない食材選択ができますよ。

市販の薬膳茶のパッケージには、「血流改善」「デトックス」など期待される効果が記載されています。気になる商品の成分表をみて、含まれる食材をまねすれば、自宅でも同じような味わいや効能の薬膳茶が作れるでしょう。

「めぐりこまち」のように、無料で体質診断サービスを行っているお店もあります。自身の体質に合った商品を見つけられると、参考にしやすいですね。

専門店の気になる商品は一度飲んでみて、飲みやすさや効果を確認しましょう。

薬膳茶の効果で体のバランスを整えよう

薬膳茶の効果で体のバランスを整えよう

薬膳茶には、病気予防やダイエットなど多くの効果が期待できます。気血水や陰陽など、中医学の基礎知識を使って食材を選べば、自宅でも手軽に薬膳茶を楽しめますよ。

はじめての方は簡単なレシピや専門店の薬膳茶から試して、無理のない健康習慣を目指しましょう。

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